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「はるま」の写メ日記

#はるま #AiryLove
2021年10月24日 16:34
【003 おにぎり / エセエッセイ】
  • おにぎりって美味しいですよね。日本文化の誇るべき結晶です。

    今やそのバリエーションたるや、銀河系宇宙の如く常に広がり続けています。大きすぎる鮭ハラミ、シトシトの唐揚げ、熟成されたサバ、たたかれたマグロ、しらすでづくされたものまで。どれもとても美味しくて、日常に彩りを授かっておりますので、開発に精を出している方々には頭が上がりません。


    そんな素敵な多様性を獲得したおにぎりですが、いつまでたっても、いやオトナになったからこそ、食べたいなああ。とより一層強く思うおにぎりがあります。「食べてみるまで具がわからないおにぎり」です。

    オトナになると自分で握るか(いや握ってないわ)、お店で買うかのどちらかしかないから、食べる前から何が入っているのか、理解したうえで食べるおにぎにが大半。当たり前だけど。

    けれど、コドモだったころにお母さんがお弁当用に握ってくれた、ぱっと見シャケなのか、昆布なのか、かつおぶしなのか、まったくわからないおにぎりが食べたいんですよ。かじりついて初めて味わう、大好きな具だった時の喜び。もしくは、大好きな具はとっておきたいのに一番最初だったときの悲しみ。それ込みでおにぎりが食べたい。なんなら、外側のお米にちょっとだけ付着した海苔佃煮によって中の具を確信しつつ、実際の具はたらこでしたというフェイントに翻弄されながらおにぎりが食べたい。


    確実に選びとれる喜びが当たり前の世界になりつつあるけれど、コントロールできないからこそ味わえる喜びだってある。それをたまには味わいたい。人の手のぬくもりからちょっと離れてしまったオトナの、歪んだ欲望。


    けれど実際、商店街のお弁当屋さんかどこかで、手作りの「食べてみるまで具がわからないおにぎり」を売り出したら、バズってヒットしそう。でも、このオトナの"狙いにいってる感"がちょっと嫌で僕は買わないかもな。

    めんどうくさいオトナになってしまいました。


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